吉備国際大学はやばい?偏差値36.2と定員割れを正直に見て、資格が取れる学部を整理した

吉備国際大学を調べると、偏差値の低さや「定員割れ」という言葉が先に目に入ります。実際、当サイトの判定でも偏差値36.2、充足率64.2%で、Fラン圏の大学です。ここは隠しません。 ただ、その数字だけでこの大学の中身は決まりません。看護や理学療法といった国家資格に直結する学部があり、南あわじには農と水産の現場があります。数字と中身を分けて見ていきます。
この記事の目次
偏差値36.2・充足率64.2%という数字を、まず正直に置く
最初に、ごまかさずに数字を出します。当サイトの判定で吉備国際大学は偏差値36.2、収容定員充足率64.2%です。充足率が100%を大きく割っているということは、募集した人数に対して入学者が集まりきっていない、いわゆる定員割れの状態だということです。これは大学案内の華やかなページには出てこない現実で、Fラン圏という評価になるのも数字の上では自然です。
ただ、充足率が低いことは「入りにくさ」でいえば下がる方向に働きます。つまり、行きたい学部が決まっている人にとっては入学のハードルが低い大学とも言えます。問題は入った先に何が残るかで、そこは学部ごとにかなり差があります。次からは、その中身を一つずつ見ていきます。
高梁の山あいという立地が、評判を実際より重く見せている
本部のある高梁キャンパスは、岡山県高梁市伊賀町にあります。高梁は岡山市から少し内陸に入った、山あいの城下町です。都市部の大学に慣れた目には「こんな場所に」と映りますし、この立地そのものが「やばい」という印象を強めている面は正直あります。周りに大きな繁華街はなく、生活は静かです。
一方で、高梁市は古くから教育の中心地として栄えた土地で、大学と市が連携した支援も動いています。令和5年度入学生からは、高梁キャンパスで学ぶ日本人学生を対象に、市と学園が連携して4年間で計80万円ぶんの授業料を減免する制度が用意されました。立地の不便さと引き換えに、生活費や学費の面で得られるものがある、という見方もできます。
看護・理学療法・作業療法。国家資格に直結する学部がある
吉備国際大学でいちばん実利がはっきりしているのが、医療系です。高梁キャンパスには看護学部看護学科があり、看護師をめざすルートが用意されています。看護学科はもともと保健医療福祉学部にあった学科で、2024年に看護学部として独立しました。
また、2024年に新設された人間科学部には、心理学専攻・理学療法学専攻・作業療法学専攻の3つの専攻が置かれています。理学療法学専攻は理学療法士、作業療法学専攻は作業療法士という国家資格に向けた学びです。偏差値の数字だけを見て切り捨てると、この「資格が取れる」という一番の価値を見落とします。国家試験に受かればどこでも通用する免許が手に入るのは、大学名の知名度とは別の話だからです。
南あわじ志知キャンパスの農学部は、農と食と水産の現場型
吉備国際大学は岡山の大学というイメージが強いのですが、兵庫県南あわじ市の淡路島にも南あわじ志知キャンパスを構えていて、ここに農学部があります。農業資源生物学科では、醸造・食品加工・植物保護・栽培育種・農業経済・地域創成といった複数のコースで、作る側から売る側までを横断して学べます。
さらに海洋水産生物学科があり、2024年には南あわじ市阿那賀に臨海実習棟も完成しました。魚や貝の調理・加工、沿岸生物の生態調査などを実地で学ぶ場です。2026年4月にはアクアグリーンフィールド学科も加わります。都市型の座学中心の大学とは違い、農と食と海の現場に身を置きたい人には、この立地はむしろ強みになります。
女子サッカー日本一。スポーツで全国に出ている大学でもある
偏差値の話に隠れがちですが、吉備国際大学はスポーツで全国に名前を出している大学です。女子サッカー部は2000年に創部し、2013年には全日本大学女子サッカー選手権で日本一を実現しました。トップチームはアマチュアリーグ最高峰のなでしこリーグに所属し、吉備国際大学Charme岡山高梁として活動しています。
社会科学部にはスポーツ社会学科があり、スポーツを競技としてだけでなく、社会やビジネスの側面から学ぶ道も用意されています。競技を続けながら学びたい人、指導者や運営側に回りたい人にとっては、実績のある環境が一つの判断材料になります。学業の偏差値と、部活動としての強さは別の指標だということです。
順正学園という母体と、1990年開学の理念
吉備国際大学を運営するのは学校法人順正学園です。順正学園のルーツは、1885年に岡山県下で初めての女子高等教育機関として創設された順正女学校にさかのぼり、保健・保育・看護の系譜を持つ学園でした。その上位校として、1990年に社会学部の単科大学として高梁市に開学したのが吉備国際大学の始まりです。
建学の理念は「学生一人ひとりのもつ能力を最大限に引き出し引き伸ばし、社会に有為な人材を養成する」というものです。偏差値の高い学生をふるいにかけるのではなく、入ってきた学生を伸ばすという方向の学校だ、と理解しておくと、この大学の性格がつかみやすくなります。少人数で面倒を見る体制は、この理念とつながっています。
外国語学部と留学生。海外留学が必修の学科もある
岡山市北区の岡山キャンパスには外国語学部があり、外国学科では2年次以降に海外留学が必修になっています。米国やドイツなどを含む60校以上の協定校と交換留学や海外実習を組み合わせる仕組みで、少人数だからこそ一人ひとりが留学に出やすい、という設計です。
また、吉備国際大学は留学生の受け入れにも力を入れてきた大学で、岡山駅前キャンパスには留学生別科も置かれています。学内に多様な背景の学生がいる環境そのものを、語学や国際関係を学びたい人は評価できます。ここでも、偏差値という一つのものさしでは測れない価値がある、という見方が成り立ちます。
結局、吉備国際大学が向いている人・慎重になるべき人
整理します。吉備国際大学は、偏差値36.2・充足率64.2%という数字だけを見ればFラン圏で、定員割れも事実です。学歴のブランドや就職での看板を第一に求める人には、正直、向きません。ここは飾らずに言っておきます。
逆に、看護師・理学療法士・作業療法士といった国家資格を取りたい人、農や水産の現場で学びたい人、競技スポーツを続けながら大学に通いたい人にとっては、入りやすさと専門ルートがそろった選択肢になり得ます。大切なのは、大学名で判断するのではなく、自分が取りたい資格や積みたい経験がこの大学で本当に手に入るのかを、学部単位で確かめることです。
よくある質問
吉備国際大学は本当に定員割れしているのですか?
当サイトの集計では収容定員充足率が64.2%で、募集人数に対して入学者が集まりきっていない定員割れの状態です。数字の上では入学のハードルは低くなりますが、その分、入学後に自分の目的を果たせるかを学部ごとに確認することが重要です。
吉備国際大学で国家資格は取れますか?
取れる学部があります。看護学部看護学科で看護師、人間科学部の理学療法学専攻で理学療法士、作業療法学専攻で作業療法士をめざせます。いずれも国家試験の合格が前提になるため、資格系を目的にするなら合格実績を各学部で確認してください。
キャンパスはどこにありますか?
本部のある高梁キャンパス(岡山県高梁市)、農学部のある南あわじ志知キャンパス(兵庫県南あわじ市・淡路島)、外国語学部のある岡山キャンパス(岡山市北区)の3つが主なキャンパスです。学部によって通う場所が違うので注意してください。
スポーツで有名というのは本当ですか?
本当です。女子サッカー部は2013年に全日本大学女子サッカー選手権で日本一になり、トップチームはなでしこリーグに所属しています。社会科学部にはスポーツ社会学科もあり、競技と学びを両立したい人には環境がそろっています。
偏差値が低くても行く価値はありますか?
目的次第です。学歴の看板を求めるなら物足りませんが、国家資格や農・水産の実地経験、競技スポーツなど、はっきりした目的がある人には入りやすさが利点になります。大学名ではなく、取りたいものが取れるかで判断するのがおすすめです。

相川 直樹