就実大学は岡山で薬学と教員養成を握る中堅私大|偏差値43.8を学部で読む

就実大学を調べると偏差値43.8という数字が最初に出てきて、やばいのではと身構える人が多いはずです。ただ実際は薬剤師と小学校教員を岡山へ送り出してきた中堅私大で、定員も満たしています。
全体の一つの数字で決める前に、薬学や教育など学部ごとの中身を数字で見ていきます。
この記事の目次
校訓の去華就実が示す通り、岡山で薬学と教員養成の指名買いを集めている
就実大学を理解する入口は、校訓の去華就実にあります。外見の華やかさよりも中身の実を大切にするという意味で、大学名そのものがこの姿勢から来ています。派手さで受験生を集めるタイプではなく、資格や職に直結する学びで地元の指名を集めてきた大学だと、まず押さえておくと像がぶれません。
就実大学は岡山市中区西川原にある私立で、人文科学部・教育学部・薬学部・経営学部・心理学部の5学部を置く総合大学です。このうち薬学部で薬剤師を、教育学部で保育士や小学校教員を養成しており、岡山県内で医療系・教員系の人材を出す学校として認知されています。全国的なブランド名で選ばれる大学ではありませんが、岡山とその周辺で薬剤師や先生を目指す層にとっては、地元で通える現実的な進路先という位置づけです。だからネットの評判を読むときも、全国区の有名大学と同じものさしを当てると実像を外します。
薬学部は新卒合格率と6年ストレート合格率で数字が大きく変わる
就実大学でやばいと語られるとき、話題の中心になりやすいのが薬学部です。ここは数字の読み方でかなり印象が変わるので、丁寧に分けます。
薬学部薬学科は6年制で、大学が公表する薬剤師国家試験の新卒合格率は、2025年の第110回で91.8%でした。ただし1学年前の第109回では新卒合格率76.7%という年もあり、年によって振れます。さらに、入学した学年が留年せず6年間でそのまま合格できたかを示すストレート合格率で見ると、外部の集計では40%台後半から50%台前半という水準です。私立薬学部では6年次の卒業試験で国家試験に届きそうな学生を絞り込むため、公表される新卒合格率は高めに出やすく、入学から数えた通過率とはズレます。就職自体は堅く、大学は2024年3月卒で学生1人あたり200社以上の求人があり就職決定率93.6%と公表しています。合格率の高い数字だけでなく、留年を含めた通過率の両面を見て判断してください。
教育学部は小学校教員の現役合格率が地力を示している
薬学部と並ぶもう一つの柱が教育学部です。ここは資格取得と採用試験の実績が具体的な数字で公表されており、地力が見えやすい学部です。
教育学部教育学科では、保育士・幼稚園教諭・小学校教諭・特別支援学校教諭の免許や資格を取得できます。公立学校教員採用試験の現役合格率は、大学の公表で小学校が82.9%(35名中29名)、保育園・幼稚園・こども園が62.5%(24名中15名)、特別支援学校が100%(1名中1名)とされています。附属のこども園でのボランティアや、教員による模擬授業・面接指導、学生同士の勉強会といった支援体制が積み上がっており、中国・四国地方の教員養成では存在感があります。採用試験は最後に本人が自治体の試験を通る必要があるので大学任せにはできませんが、対策の環境が整っている点は、偏差値の位置とは別に評価できる材料です。
充足率104.0%は、地元岡山での実需で定員が埋まっている証拠
就実大学の入学定員に対する充足率は104.0%です。この数字は見落とされがちですが、大学の性格を語るうえで大きな意味を持ちます。
いわゆるFランとして名前が挙がる大学の多くは、定員を割って充足率が100%を下回っています。就実大学はそこが違い、定員を満たして少し上回る水準で学生が集まっています。全国の受験生を薄く集めているのではなく、岡山とその周辺で薬剤師や教員を目指す層が地元校として選び続けているから、この数字が保たれています。派手な広報や偏差値の高さで人を呼ぶのではなく、資格に直結する学部と地元の実需で定員を埋めるという構造です。充足率が100%を超えているという一点は、少なくとも人が集まらずに存続が危ういタイプの大学ではないことを示しています。進路の安定性を気にする人にとっては、ここは安心材料として見てよい部分です。
偏差値43.8は学部でばらつき、一つの数字では難易度をつかめない
ここまで見たうえで、最初に目に入る偏差値43.8をどう読むかに戻ります。この43.8は複数の学部をならした全体の目安で、学部ごとに難易度は上下します。
薬学部のように6年制で資格に直結する学部と、人文科学部や経営学部のように学び方の幅が広い学部とでは、入試の重さも受験層も違います。同じ大学の中でも、資格職を目指す学部には相応の学習量を積んだ受験生が集まり、そうでない学部は入りやすい入り方も用意されています。だから43.8という平均の一点で全学部を同じ難易度だと決めると、実態を取り違えます。口コミ評価もみんなの大学情報で5点満点中4.0前後と、極端に低いわけではありません。自分が受けたい学部の偏差値と入試方式を個別に調べ、平均ではなくその学部の数字で見比べるのが正確です。
入試・学費と、就実大学が向いている人
お金と入りやすさも確認しておきます。全体偏差値43.8が示すとおり、多くの学部では入口のハードルは極端に高くはなく、総合型選抜や学校推薦型選抜など学力試験以外の入り方も整っています。学費は学部で差があり、とくに薬学部は6年制で実験実習を伴うため、文系学部より総額が大きくなります。特待生として学費が減免される制度もあるので、正確な金額と条件は就実大学の公式サイトの学費・奨学金のページで、志望学部の年額と修業年限を必ず自分で確認してください。
立地は岡山市中区西川原で、JR西川原駅から徒歩およそ1分という通いやすさが強みです。岡山駅からも近く、地元から自宅通学しやすい環境です。就実大学が向いているのは、薬剤師や小学校・幼稚園の先生など資格職を地元で目指したい人、そして岡山とその周辺で堅く就職につなげたい人です。反対に、全国区の大学名やブランドそのものを進路の軸に置きたい人には物足りなさが残るかもしれません。何を優先するかを先に決めておけば、就実大学が自分にとってやばいのかどうかは、学部単位でわりとはっきり答えが出ます。
よくある質問
就実大学は「Fラン」ですか?
全体偏差値は43.8で、入学定員に対する充足率は104.0%と定員を満たしています。定員割れが続くタイプの大学ではなく、岡山で薬学部や教育学部の指名買いを集める中堅私大です。偏差値だけで低く見るより、志望学部の難易度で判断するのが正確です。
就実大学の薬学部の薬剤師国家試験合格率は?
大学公表の新卒合格率は2025年の第110回で91.8%、前年の第109回では76.7%と年によって振れます。入学から6年間で留年せず合格したストレート合格率で見ると外部集計では40%台後半から50%台前半で、公表値との差を踏まえて見るのが正確です。
就実大学は教員になれますか?
教育学部教育学科で保育士・幼稚園・小学校・特別支援学校の免許や資格を取得できます。公立学校教員採用試験の現役合格率は、公表で小学校82.9%、保育園・幼稚園・こども園62.5%とされ、中国・四国地方の教員養成で存在感があります。採用試験は本人の準備量が最後の鍵です。
就実大学の就職はどうですか?
薬学部は2024年3月卒で学生1人あたり200社以上の求人があり就職決定率93.6%と公表されています。人文・教育・経営などでも岡山県内の公立学校や地元金融機関、病院などへの就職実績があり、地元での就職に強い大学です。
就実大学はどこにありますか?
岡山県岡山市中区西川原にあり、JR西川原駅から徒歩およそ1分です。岡山駅からも近く、地元から自宅通学しやすい立地です。人文科学部・教育学部・薬学部・経営学部・心理学部が同じ岡山市内のキャンパスで学びます。

相川 直樹