淑徳大学は本当にやばい?福祉に強い千葉の私大を偏差値だけで測らない

淑徳大学と検索すると「やばい」「Fラン」という言葉が並びます。ただ淑徳大学は1965年に福祉を学ぶための単科大学として出発した歴史を持ち、いまも社会福祉士や精神保健福祉士を送り出しています。
偏差値の数字だけでは見えない中身を、千葉の私大として順番に確かめていきます。
この記事の目次
そもそも淑徳大学は「福祉のためにつくられた大学」だった
淑徳大学の話を偏差値から始めると、大切な前提を飛ばしてしまいます。この大学は1965年、浄土宗の僧侶だった長谷川良信によって、社会福祉学部社会福祉学科だけを置く単科大学として創立されました。国内でも早い時期に福祉の専門教育に踏み出した私立大学のひとつで、当時まだ福祉を学べる場所が限られていた時代に、大乗仏教の「共生」の思想を土台にして人材を育てるためにつくられています。
つまり淑徳大学は、総合大学が後から福祉学科を足したのではなく、福祉そのものを出発点にして半世紀以上を積み上げてきた大学です。学内で「福祉の淑徳」という言い方が使われるのも、この出自があるからです。やばいかどうかを考える前に、この大学が何のためにできたのかを押さえておくと、あとの数字の見え方が変わってきます。
偏差値37.5という数字は、どの学部を見ているのか
淑徳大学がやばいと言われる直接のきっかけは、偏差値の数字です。学部によっては37.5という値が出ており、これはコミュニティ政策系など一部の入試区分に対応します。一方で看板である総合福祉学部や看護栄養学部は40.0から42.5あたりで、大学全体がひとつの低い数字で表せるわけではありません。
福祉や教育、看護のように資格と実務に直結する分野は、学力の一点勝負というより「その仕事に就きたいか」で志望が決まりやすく、偏差値が上位私大ほど高く出にくい性質があります。地元の千葉から通い、卒業後は福祉職として地域に残る学生が多いことも、数字が控えめに見える一因です。偏差値37.5は「入りやすさ」を示しますが、そこで学べる資格の重さや、その資格が現場でどれだけ通用するかまでは示してくれません。入り口の低さと、出口で手にする専門性は、分けて見ておく必要があります。
充足率95.9%は「必要とされ続けている」ことの現れ
大学の危うさを測るなら、偏差値より定員充足率のほうが正直です。淑徳大学の充足率は95.9%で、募集した人数のほとんどをきちんと集められています。定員割れが慢性化して募集停止に向かう大学とは、この点で立ち位置が違います。
福祉や看護の現場はいまも人手が足りず、資格を持った卒業生を地域が待っている状態です。淑徳大学が千葉で毎年安定して学生を集められているのは、その受け皿としての役割が続いているからだと読めます。充足率がほぼ満員に近いという事実は、この大学が「消えていく側」ではなく「必要とされ続けている側」にいることを静かに裏づけています。ここは非Fランと扱われる根拠のひとつでもあります。
国家資格の合格実績は、看板に恥じない水準
福祉系大学の実力は、就職の前にまず国家試験の合格率で見えます。淑徳大学社会福祉学科の2025年度の実績は、社会福祉士国家試験の受験資格ルートで合格率78.1%(全国平均78.4%)、精神保健福祉士で92.9%(全国平均85.4%)でした。精神保健福祉士では全国平均を上回っており、少なくとも「やばくて資格が取れない大学」という描写は当てはまりません。
学科には社会福祉士養成、精神保健福祉士養成、両資格の併修、スクールソーシャルワーカー養成、福祉と小学校教職の並修など複数のコースが用意され、社会福祉主事任用資格や小学校教諭二種免許状まで幅広く狙えます。半世紀ぶんの養成ノウハウが、この合格実績とコースの厚みに表れています。
卒業後はどこへ進むのか
淑徳大学の卒業生は、福祉と教育の現場を中心に進みます。具体的には、地方公務員の福祉職や行政職、社会福祉協議会、高齢者福祉施設、障がい福祉施設、児童福祉施設、児童相談所、医療機関、そして特別支援教育の教員などです。資格を武器に、地域の公的な仕事へ入っていく道筋がはっきりしているのが特徴です。
一般企業や大学院進学ももちろん選べますが、この大学の強みは「福祉職として食べていける具体的な出口」を最初から用意している点にあります。就職ランキングで名前を聞くような華やかさではないかもしれません。ただ、資格と地域の需要に支えられた進路は、景気に左右されにくく息が長いという良さがあります。
結局、淑徳大学はどんな人に向くのか
ここまでを整理すると、淑徳大学は偏差値の数字だけで「やばい」と切り捨てるには惜しい大学です。1965年から福祉ひとすじで積み上げた歴史、95.9%という充足率、国家資格の堅実な合格実績、そして地域の福祉職へつながる進路。これらは検索結果の一言では出てこない中身です。
向いているのは、大学名の見栄えよりも「卒業して何ができるか」を大事にしたい人です。人を支える仕事に就きたい、千葉で腰を据えて学びたい、資格を持って地域に必要とされたい。そう考える人にとって、淑徳大学は堅実な選択肢になります。周りの「やばい」という声より、自分が何を学びたいかを軸に判断すれば大きく外すことはありません。
よくある質問
淑徳大学はFランですか?
一部の学部で偏差値37.5という数字が出ますが、充足率は95.9%で定員割れが慢性化した大学ではなく、Fラン(対象外)とは扱われません。福祉系の看板学部は偏差値40.0から42.5あたりで、大学全体をひとつの低い数字で語ることはできません。
淑徳大学はどこにありますか?
本部は千葉県千葉市にあります。1965年に千葉で福祉系の単科大学として創立された歴史があり、いまも千葉を拠点に福祉や看護、教育の人材を育てています。地元から通って地域に就職する学生が多いのも特徴です。
淑徳大学ではどんな資格が取れますか?
総合福祉学部社会福祉学科では、社会福祉士や精神保健福祉士の国家試験受験資格、スクールソーシャルワーカー、小学校教諭二種免許状、社会福祉主事任用資格などを目指せます。2025年度は社会福祉士78.1%、精神保健福祉士92.9%の合格率でした。
淑徳大学の就職先はどこですか?
地方公務員の福祉職や行政職、社会福祉協議会、高齢者・障がい・児童の福祉施設、児童相談所、医療機関、特別支援教育の教員などが中心です。資格を持って地域の公的な福祉の仕事に就く道筋が、はっきり用意されています。

相川 直樹