日本体育大学はやばい?五輪メダルと教員採用の実データで見る本当の評価

日本体育大学と調べると、やばいという言葉が並びます。体育会系の硬派なイメージや、名前のインパクトが先に立つためです。ただ中身を数字で見ると、印象とはずいぶん違う姿が見えてきます。
この記事は五輪メダルの実績、保健体育の教員採用、5学部9学科の構成を裏取りして整理しました。偏差値45.0・充足率107.5%で、当サイトの判定は対象外(Fランではない)です。
この記事の目次
「体育大=やばい」という見られ方はどこから来るのか
日本体育大学に対して「やばい」という言葉が付きやすいのには、いくつか理由があります。ひとつは名前の直球さです。学問分野を名乗る多くの大学と違い、体育をそのまま校名に掲げているため、勉強より運動という先入観を持たれやすい。もうひとつは、上半身裸で行う集団演技「エッサッサ」に代表される、硬派で体育会系という強い個性です。この規律の文化が、外から見ると近寄りがたさや過酷さの印象につながっています。
ただ、こうしたイメージは大学の実力とは別の話です。運動が強い学校は勉強ができないという思い込みが、検索ワードの「やばい」に化けているだけで、実際の教育内容や進路実績を見ると評価はまったく変わってきます。次から具体的な数字で確かめていきます。
日本の五輪メダルの約4分の1が日体大関係者という実像
日本体育大学を語るうえで外せないのが、オリンピックでの存在感です。大学の公式オリンピック特設サイトによれば、日本人がこれまでに獲得した総メダル数のうち、約4分の1(約25パーセント)を日体大の在学生・卒業生・指導者が占めるとされています。ひとつの大学が国全体のメダルの4分の1に関わるというのは、国内で群を抜いた数字です。
具体的な顔ぶれも豊富です。レスリングでは花原勉が1964年東京オリンピックで金メダルを獲得。体操では具志堅幸司がロサンゼルスオリンピックで金メダルを含む複数のメダルを取り、平行棒には今も本人の名を冠した技グシケンが残っています。近年でも、ボクシングの入江聖奈が2020年東京オリンピックで金メダルを手にしています。競技の裏側を支える指導者やコーチにも日体大出身者は多く、選手を出すだけでなく育てる層の厚さが特徴です。
保健体育の教員採用に強い、という現実的な出口
五輪のような華やかさとは別に、多くの受験生や保護者が気にするのは卒業後の進路でしょう。ここでも日体大は明確な強みを持っています。進学情報サイトの掲載データによると、教員採用試験の合格者は437名(うち現役合格者120名)に達し、公務員試験の合格者も150名超という規模です。
とりわけ中学・高校の保健体育教諭では、全国でもトップクラスの採用者数を長年出し続けてきました。就職先には東京都をはじめとする各地の公立学校が並び、体育学部だけでなく児童スポーツ教育学部からも小学校教諭が多数輩出されています。教員志望なら、学びと出口がまっすぐつながっている大学だと言えます。
体操だけの学校ではない、5学部9学科の総合大学
やばいという言葉には、単科で選択肢が狭いのではという不安も混じりがちです。実際の日体大は体育学部だけの学校ではなく、スポーツ科学を幅広くカバーする5学部9学科の構成になっています。体育学部、スポーツ文化学部、スポーツマネジメント学部、児童スポーツ教育学部、保健医療学部の5つです。
中身も競技一辺倒ではありません。武道や国際交流を扱うスポーツ文化学部、スポーツの経営や運営を学ぶスポーツマネジメント学部、子どもの教育に軸足を置く児童スポーツ教育学部、柔道整復師や救急救命士をめざす保健医療学部と、進路は多方向に開かれています。アスリートを育てる大学であると同時に、教員、トレーナー、医療系国家資格者、スポーツ産業の担い手を送り出す総合大学という理解が正確です。
世田谷と横浜・健志台、2キャンパスの学び分け
日体大は東京と神奈川の2キャンパス制です。本部のある東京・世田谷キャンパス(世田谷区深沢)では体育学部、スポーツ文化学部、児童スポーツ教育学部が学びます。もう一方の横浜・健志台キャンパス(横浜市青葉区鴨志田町)では体育学部、スポーツマネジメント学部、保健医療学部が中心です。学部によって通う場所が変わる点は、出願前に必ず確認しておきたいところです。
健志台キャンパスは広大な総合グラウンドやトレーニング施設を備え、競技環境の充実で知られています。都心に近い世田谷と、練習環境の整った健志台という役割分担が、幅広い学生のニーズを受け止めています。
1891年創立、エッサッサと集団行動に受け継がれる伝統
日体大の歴史は古く、起源は1891年(明治24年)に日高藤吉郎が東京市牛込区に創設した体育会にさかのぼります。130年を超える歴史のなかで、体操学校から体育大学へと姿を変えながら、日本の体育教育の中心的な役割を担ってきました。
先に触れたエッサッサや、一糸乱れぬ集団行動・体操の演技は、この長い歴史のなかで磨かれた日体大の象徴です。外からは厳しさに映る規律ですが、卒業生が全国の学校で保健体育の指導者となり、その型を各地の体育祭や運動会へ広げてきた背景があります。硬派なイメージの正体は、実は日本の学校体育を支えてきた伝統そのものだと言えます。
偏差値45.0・充足率107.5%をどう読むか
数字の面も確認しておきます。当サイトの基準では、日本体育大学の偏差値は45.0で、収容定員充足率は107.5パーセントです。充足率が100パーセントを超えているということは、定員に対して実際の在籍学生が上回っている状態で、定員割れとは正反対です。学生が集まらず経営が苦しいという意味でのやばさは、この数字からは読み取れません。
実技や競技実績を評価する総合型・推薦型の入試が多い体育系大学では、学力偏差値だけで難易度を測りきれない面もあります。それでも、志願者が定員を安定して超えて集まっている事実は、大学として健全に機能している何よりの証拠です。以上をふまえ、当サイトの判定は対象外(Fランではない)としています。
まとめ:日体大が向いている人
ここまで見てきた通り、日本体育大学のやばいは、実力ではなくイメージ先行の言葉でした。五輪メダルの約4分の1に関わる競技力、保健体育の教員採用で全国トップクラスの実績、5学部9学科の幅広い進路、定員を超える志願者。どれをとっても、避けるべき大学の姿ではありません。
体育の教員をめざす人、競技を本気で続けたい人、トレーナーや救急救命士などスポーツと健康に関わる仕事に就きたい人にとっては、環境と出口がそろった有力な選択肢です。名前の印象や検索ワードの雰囲気だけで判断せず、自分の進みたい方向と学部の中身を照らし合わせて考えるのがおすすめです。
よくある質問
日本体育大学はFランですか?
当サイトの基準では偏差値45.0、収容定員充足率107.5パーセントで、判定は対象外(Fランではない)です。定員を超えて志願者が集まっており、定員割れの状態ではありません。
日本体育大学はどんな仕事に就く人が多いですか?
中学・高校の保健体育教諭をはじめとする教員が代表的です。教員採用試験の合格者は437名(現役120名)規模で、警察官や消防などの公務員、柔道整復師や救急救命士といった医療系、スポーツ産業への就職も多く見られます。
運動が得意でないと入学できませんか?
競技実績を評価する入試もありますが、学びは競技だけではありません。スポーツマネジメントや保健医療、子どもの教育など幅広い学部があり、指導や運営、健康分野をめざす学生も多く在籍しています。
キャンパスはどこにありますか?
東京・世田谷キャンパス(世田谷区深沢)と横浜・健志台キャンパス(横浜市青葉区鴨志田町)の2つです。学部によって通うキャンパスが分かれるため、志望学部の所在地を出願前に確認してください。
日本体育大学はオリンピックにどれくらい関わっていますか?
大学の公式サイトによると、日本人がこれまで獲得した総メダル数の約4分の1を、日体大の在学生・卒業生・指導者が占めるとされています。国内でも突出した実績です。

相川 直樹